不動産飛び込み営業のモチベーション
かねてからご紹介している宅建士コミュニティで、不動産営業の中でも特に難易度が高く、心が折れがちな飛び込み営業についてどうすればいいかという質問が来ましたので私なりに考えてみたいと思います。
ちなみに宅建士コミュニティは下のURL先です。ブログへの質問として今回取り上げさせて頂きました!
不動産といえば、電話営業や飛び込み営業というのが悪いイメージとしてつきまといますよね?不動産営業やってるんだと高校の同級生に同窓会で言うと、大変だねえと同情の目で見られます。それくらい世間一般的にも難しい職業だと思われているのです。
私と同世代の人間はリーマンショックで就職が思ったより難航して不動産会社に就職した人が多い世代なのですが、この飛び込み営業や電話営業が嫌で転職する人がたくさんいます。不動産営業で成功する人は一握りなのです。
どうすればいいのか私も疑問に思って、新卒の就活イベントに潜入したことがあります。不動産会社が出展しているので、そのブースに行って、社長さんや人事に直接不動産営業について質問したのです。というかこういうイベント以外に他社の不動産会社の状況を知る術がないくらい不動産は閉鎖的な業界です(だからこそ宅建士の交流コミュニティが必要だ!と思っているのです)。
そこで社長さんたちからもらった回答は次の通りです。
「不動産というのはお客様にとっては人生で一番の大きな買い物。懇切丁寧に説明してこちらの誠意を見せることが大事」
「メールでも電話でもいいからお客様と接点を持つことがスタート。不動産は人生で誰もが一度は買う商品。だから電話した相手がたまたま不動産を買うタイミングの可能性もある。あきらめないこと」
「確かに不動産営業は大変というイメージがあるが、実際にやってみるとそうでもない。金額が高いからそんなにぽんぽん売れなくても大丈夫。あせらずにじっくりやれば売れないことはない」
というような回答でした。
正直、納得感はありませんでした。不動産は人生で一番高い買い物、諦めないことが大事、誠意を見せる、という言葉は確かに本当なのでしょうが、それをしたからと言って自分の不動産の営業成績があがるかというと、必要条件かもしれませんが、十分条件ではありませんよね?
不動産の世界には、なぜか驚異的な営業成績を上げるスーパー営業マンがときどきいます。彼らは決して学歴が高いわけでもなく、大手不動産会社に勤務しているわけでもないのに、なぜかお客さんがぽんぽん買ってしまうわけです。
fudousandokuritsu.hatenablog.com
こういう伝説的なスーパー営業マンになる必要はありませんが、せめて社内で肩身の狭い思いはしなくて済むような成績を上げたいと言うのが本音ではないでしょうか?
野球の長嶋さんはバットを振ったら当たるので悩んだことはないという話を聞いたことがあります。感覚的にやっているので、監督になっても選手への指導は非常に抽象的で、それがキャラクターとして人気を得ている部分もありましたが、伝説をつくる人というのは理屈ではない気がします。
理屈で理解しないと実践できない人間としては、そういう天才的な営業マンはあまり参考になりません。上を見たらきりがありません。
そこで、モチベーションだけでも下がらないような営業時のマインド設定を考えてみたいと思います。これはとあるネットベンチャー企業で行われている手法です。社長は猛烈営業で有名な野村證券出身者です。
①自分の商材をよく研究する。だれが買えるのか?いつ必要なのか?
⇒投資マンションなら、給与以外の収入源が欲しいサラリーマンや、ホステスやお笑い芸人など収入の増減が大きい職業の人が将来のために安定的な収入源として確保しておきたいという狙い
②ターゲット客がいるのはどこか?どこに集まっているかを考える。
⇒サラリーマンなら渋谷や新宿、新橋。ホステスなら銀座や歌舞伎町、六本木、お笑い芸人なら大阪など
③彼らの行動を分析して、一番気を許しそうな場所を考える
⇒サラリーマンなら居酒屋、ホステスなら美容院やネイルサロン、お笑い芸人ならステージの後など
④ターゲット客が一番気を許すタイミング・場所を狙って、その中で1人でいいから知り合いになる。
⇒結構難しいですが、たった1人でいいです。共通の趣味や、特技などで話が盛り上がればOK
⑤その仲良くなった人と、利害関係を超えた人間関係をつくる
⇒実際に友人になったり、舎弟にしたり、人生相談の相手などになってもらう。彼氏彼女でもOK
⑥しょっちゅう飲みに行く
⇒お互いの仕事の話や悩みなどを話しているうちに、その人かその人の知り合いなどで不動産を欲しがっている人を紹介してもらえるはず
⑦そういう中のいい人を6人つくる
⇒知り合いの知り合いの知り合いの・・・と6回やると全人類を網羅できるそうです。そのネットワークの中にかならず不動産を買いたいと思っている人がいるはずです。不動産の売買仲介は誰がやっても同じなので、どうせ買うならこいつから買いたいと思わせることが大事です。
やみくもにインターホンを鳴らしたり、電話するよりも、戦略を考えたり、飲んでたりするほうがよっぽど楽しいと思います。砂漠を歩いているかのような不動産営業はさっさとやめて、戦略的に漁をするような、そういう仕事の仕方が効果的、と野村證券の人は言っていました。たしかにこれなら、不動産を買いたい人に信頼関係を使ってたどりつけそうですよね。仮にうまくいかなくても、転職の世話をしてくれる人が1人くらいいるかもしれませんし、友人知人は財産なので、1人でも多いほうがいい気がしました。