不動産ドラマ「家売るオンナ 第3話」から学ぶ三軒家万智の営業姿勢
北川景子主演の不動産ドラマ・家売るオンナから不動産業界を垣間見ようというこの企画も今回で3回目。
不動産を売買する1つのやり方である「現地販売」が主テーマです。
現地販売の特徴は、物件を積極的に見に来る客が多いので売れる確率も高いそうです。
現地販売の物件の売れ方
物件1:サンルームのある一戸建て:価格1.1億円
⇒冷やかしの内覧もあるもののふらっと来た客が1000万円値引きの1億円なら購入すると言い、営業マンがローン無しの現金1億円なら値引きに応じると返答。即決
物件2:4LDK200平米の広い外国人仕様の物件:価格9900万円
⇒バス・トイレが2組あり、買う人がいないかと思われたが、三軒家万智の機転でSNSを中心としたインターネットプロモーションが奏功し、問い合わせの電話が殺到。大家族向けというコンセプトがヒットし、結局、東北なまりの大家族が購入。
物件3:建て坪5坪の狭小住宅
⇒なかなか売れないものの三軒家万智の営業手腕で見事に購入客を確保。
この5坪の極小住宅を三軒家万智がどう売ったかを見ていきましょう。
極小住宅の顧客の見つけ方
①別件で、自宅を売却したいという歯科衛生士から電話で問い合わせ。三軒家万智は、「物件見学は今からでもいい」と言いすぐ現地訪問。立地がいいので買い手は現れるが、家主や捨てられない女であったため内覧できる状態ではない。荷物はトランクルームなどに預けられると解決策を提示。
②もう1件、別件で、今の家を売って住み替えたいと考える男性と面談。家具が非常に少なく、必要最低限すら置かないミニマリストであることが判明。「生きるということはそぎ落とすということ」というポリシーの持ち主で、小さいワンルームを都心に買いたいというのが希望。
③実はこのミニマリストと歯科衛生士は交際していた過去があり、お互いにまだ恋心は残っていたものの、ミニマリストと捨てられない性格が相反したため別れていたそう。彼女は彼に物件を売却することを当初は嫌がっていたが、やがて焼けボックリに火がついたのか、君と一緒なら捨てられると意気投合。しかし、翌日また喧嘩するという変な展開に。
④実はこの時点で三軒家万智の頭の中には、この2人のよりを戻させて、例の極小住宅を売る作戦がすでにひらめいていたというもの。占い師に変装して占いでもよりを戻すような占いをする。
⑤落とし文句としては、「価値観の違う二人がその価値観を揺るがすことなく、共に暮らすには空間をきっちりとわける」ことができる物件と提案。それぞれのライフスタイルと哲学を貫けるように、片づけられない女は1階、ミニマリストは3階に住まわせるというアイデアに両者納得、購入に至るというもの。
⇒今回は偶然が重なったこともあり、三軒家万智の営業手腕が弱かったですが、「内覧を今からすぐにします」とか、「今日中に連絡します」とかスピード対応が多く、こういう姿勢が大事だと実感。
また、三軒家万智の基本思想として、「家を売るのは個人技」、「売るなら全部まとめて私が売ります」、「不動産屋になるために生まれてきた」、「不動産屋の仕事は家を売ることです」、「(よりを戻した後の2人の今後について)そんなこと私の知ったこっちゃあない」というものが作中で描かれていました。
家を売ること以外はあまり考えていない点が徹していて参考になりました。
ドラマ「家売るオンナ 第2話」から学ぶ不動産販売のテクニック
家売るオンナの第2話から学ぶ不動産営業のテクニックを見ていきましょう。
事故物件に住んでいることが同僚に知られた三軒家万智。
豪邸なのに月5万円の家賃で住めるのは一家惨殺事件があった物件で、勝手にドアが開いたりしまったりするそうです。しかし、「そんな心配より家を売ることが大事」と。
そんな三軒家万智の不動産営業スタイルは白州美加への指導にも表れています。
ダメ社員・白州美加へのチラシ配り指導
①チラシ物件のセールスポイントはどこか?と三軒家万智の詰問。答えられない白州美加に、物件を実際に見に行ってセールスポイントを言えるようにして来いと命令する。実際に見に行くと、道は細く、墓の隣を通り、物件は写真より古く、猛犬もいて、ヤモリもいるダメダメな物件だった。
②しかし、そんなダメダメな物件でも見方を変えれば長所になると言う三軒家万智。例えば、細い道のわりに交通量が多い=女性の一人暮らしにとっては夜道が怖くない、隣が墓地=高い物件が立つことはないので眺望は保証、ヤモリ=家の守り神というふうにデメリットは人によってはメリットになると。
③さらに有能な同僚との会話から、「管理人曰く、猛犬のおかげで下着泥棒がいなくなった。西向きは夕日がきれい。午後から日が当たるから休みの日もゆっくり眠れる。朝はクーラーなくても涼しい。物件写真はお見合い写真と一緒。見て会いに行くか決めるので心を込めて写真を撮る。」と物件ポイントを教えてもらう白州美加。
④そういった物件知識をもとに5分で三軒家万智に物件紹介をしろと言われ、ダメ社員ながら結構説明した白州美加だったが、説明できた分量は「1分15秒、あと3分45秒足りない」と詰められる。
⑤また、チラシ配りでは、ポスティングするマンションを決めてからチラシ配りしろと三軒家万智にアドバイスをもらう。
⇒欠点ばかりでは家は売れないので、見方を変えて長所を探す姿勢。お客さんに物件を説明するためには5分くらい話せる量の知識は必要であり、それはチラシの内容にとどまらず、実際に現場に行かないと得られないナマの情報が重要だとする姿勢。チラシは何千枚印刷しても、何も考えない社員はそのチラシを捨ててしまうのがもったいない。
さて、今回のクライアントへの対応から三軒家万智の不動産販売テクニックを考察していきましょう。
住み替えを検討中の老夫婦のお客さん
①2階建ての一軒家(査定5000万)から階段がない狭いマンション(希望2000万~2500万くらい)に住み替えたいという希望。しかしいまいち何かを隠している様子。
②顧客の要望の背景を知らないと適切な物件が紹介できないため、内見に一緒に行く三軒家万智。鋭い観察眼と辺鄙な行動力で、老夫婦二人暮らしではなく、実は20年引きこもりの息子がいることが明らかに。息子の将来のために、家を売って安い家に住み替えることで現金を残しておいてあげたいという本音を聞き出した。
③そこで三軒家万智のミッションはその息子のために「引きこもりの城」を紹介することに。「家を売るのが私の仕事です」と意気込む。
④そんな老夫婦と息子のために三軒家万智が選んだ物件は、狭めのマンション1部屋とそのマンションと同じフロアにある別の部屋の2物件。なんと、「同じフロアの物件は投資用として賃貸に出し、家賃収入を確保して息子の引きこもり資金にする」という驚きのプラン。計算した結果、100歳まで引きこもり可。両親が死んだあと働かないといけなくなるがこの物件を買えば一生働かなくて済むという話。顧客、購入即決。
⇒「家を勧めることは人生に深く関わることだから」「つまらない常識や狭い価値観でものをいうな、だから家を売れないんだ」という三軒家万智の不動産営業スタイル。引きこもりの家庭に家を売るためには、引きこもりでも大丈夫、むしろ買わないと引きこもれないという点をアピールしている点が新しい。お客さんの家庭事情をきちんと理解し、無理やり改善するのではなく、それに適した物件を提案している点が印象的でした。
それ以外の三軒家万智の営業姿勢
①朝礼で「午前に2件、午後に2件アポあります」ときちんとアポ取りを行っている。「これからアポ取ります」ではなく、既にアポ取っていることが大事。
②ホームステージングすることによって住んでいる生活イメージを持たせる。
③不動産会社の同僚に関して、後輩教育はしないと宣言。
ドラマ「家売るオンナ 第1話」から学ぶ不動産営業の極意
テーコ―不動産 新宿営業所売買仲介営業部。
「私に売れない家はありません!」と宣言した三軒家万智
営業所内で問題物件とされていた「坂がきつい・駅から遠い・1LDKなのに無駄に広い・価格5000万円」の物件を彼女がどう売ったのか?という点から不動産営業の極意を学びたいと思います。
合言葉は「落とす」「私に売れない家はありません」「お金のために家を売っているだけ」
問題物件の売り方の前に、彼女の仕事への取組み姿勢を見ていきましょう。
ダメ社員・白州美加への対応
①「今日お客様のアポはいくつ取れてるの?明日は?明後日は?」と詰めた後、白州美加の家の鍵を預かる(というか奪う)。そして、お客様のアポが取れるまで家に帰れないとルールを決める。
②パワハラが人を育てると豪語し、帰社した白州美加に「何しに戻ってきたのか?」と言って、お客様リストに片っ端から電話させる。そして、アポが取れるまで電話するようにイスにガムテープで白州美加を縛りつける。「あなたの仕事は家を売ることです」と釘を刺すことも忘れない。三軒家万智本人は鍵を取り上げたまま業務都合で直帰してしまう。
③オフィスにいた白州美加に「オフィスにいてもやることないでしょ?」と物件の看板を持って外出させる。いやいや外出する白州美加だったが、なんと内覧したいという客と出会う。
④内覧アポを取り付けたのでルール通り三軒家万智は白州美加に家の鍵を返しつつ、「売れなければ意味がない」と釘をさすのも忘れない。
⑤不動産営業でよくあることだが、内覧客が待ち合わせに来なかった。泣く白州美加をかばう上司に対して三軒家万智は「なぜ次の物件を勧めさせないのか?泣けば家は売れるのか?」と問い、上司も詰める。
⑥3000枚チラシを配らせる。「100枚じゃ足りない」と言う。
物件現場へ行くときの姿勢
①物件までの道順は全て覚える。「不動産屋は地図を見ない」。
②車であっても狭い道は曲がる。「これくらい曲がれないと不動産屋とは言えない」。
③なぜそんな道を通るのかというと、客よりも先に物件に到着するためであり、裏道を使うことで客からの信用を取り付けるためである。
内覧ばかりして買う決意をしないお客への対応
①数回内覧している客の目の前で三軒家万智の電話が鳴る。
②内覧客に「他の客が即決した」事実を話す。
③動揺する内覧客にさらに追い打ちをかけるように、即決した客をその場に来させる
④焦った内覧客に購入申込書のサインをさせる(結局、買った)。
⑤もちろん即決した客はサクラである。他の客が決めそうだと伝える不動産営業の常套手段のさらに上を行き、キチンとサクラでもその場に来させるのはかなりのテクニックですね。でも感謝のハガキが来たのでめでたしめでたしか。
さあ、ようやく問題物件を売りに行きます。
問題物件の売り方
①客は最新設備付きの新築戸建て3LDK(予算1億)を希望。もちろん問題物件はその客の希望には合わない(問題物件は、坂がきつい・駅から遠い・1LDKなのに無駄に広い・価格5000万円の物件)。
②しかし、三軒家万智は客の家族の事情を徹底的に理解する。また面倒な子供の面倒も見る。客の仕事明けすぐに内覧アポを取りつけ、迎えにも行く。泊まり込みも辞さない。朝食もつくる。
③粘る三軒家万智は上がり込んだ客の家でその家族の思考を読み取る。多忙な両親と寂しがりな子供がいる家族構成や子供が大切にしているもの(作中では亡くなったおばあちゃんの分身であるビワの木)などの重要な点を家をうろつきながら把握。
④内覧のとき、三軒家万智のテクニックが炸裂する。まず、家族の生活スタイルをイメージして家具を配置し、次に、子供が小さいので子供部屋はいらないと決めつけ、さらに、リビングに両親の仕事机も置きながら子供もリビングのテーブルを利用すると想定して両親と一緒にいられることをアピール。ベランダからは両親の職場が見えるため子供が寂しくならずに済むことも伝え、挙句の果てに、ビワの木の植木も持ち込み、最終的に子供を味方につける。「家族の体温を感じられる物件」です、と締めくくり、見事「落とす」ことに成功。
と、三軒家万智の営業スタイルがたった1話でかなり驚異的なことがわかります。宅建業法に違反する点もなく、ホワイトな営業手法だと思います。不動産業界未経験者として非常に学べる点が多いと思います。皆様もぜひ参考に。
不動産業を開業する方法まとめ 宅建資格を活かせる仕事
不動産業を開業するためには宅建士資格をとる必要があります。
通常は宅建士の資格試験をしていれば大部分のことは試験範囲に含まれるので、資格学校のTACやLEC、大原などのスクールに通うか、資格スクールが出版している書籍を利用して勉強して宅建試験合格をまずは目指します。
ご参考ホームページ
営業保証金や標識の掲示など、宅建試験の試験範囲に該当することがが書いてあります。
その後、無事に試験合格したら、いよいよ開業です。
開業マニュアル「新規開業までの流れ」が紹介されています。
法人設立や宅建協会加入、保証協会加入の方法が記載されています。
不動産会社を開業するための段取りと費用まとめ | 宅地建物取引士(宅建士)の通信講座を始める前に読むサイト!!
事務所オープン、会社設立、免許申請、協会への加入など、網羅的に紹介されています。
これらのサイトを参考に不動産業を開業することになります。
聞いてみたい不動産替え歌 タイトル編その2
前回につづき、不動産業界あるあるな替え歌 タイトル編のその2です。
サザンオールスターズ「JIAGE」(TSUNAMI)
⇒地上げ!
Chage & Aska「Say Yes」(Say Yes)
⇒密室に監禁されて署名させられているのでしょうか
SMAP「世界に1つだけのワンルーム」(世界に一つだけの花)
⇒買わないとほかの人に取られちゃいますよ、こんないい物件ありませんよ!
GLOBE「APARTURES」(DEPARTURES)
⇒すき間とか窓って意味ですね。築古物件にありがちです。住人がDEPARTURE!
Kinki Kids「内覧より契約したい」(愛されるより愛したい)
⇒内覧て手間かかりますよねえ
シャ乱Q「ズルい客」(ズルい女)
⇒突然連絡取れなくなったと思ったら他の業者で契約しちゃうパターン!
聞いてみたい不動産替え歌 タイトル編
不動産業界の人にはわかる替え歌のタイトルだけ考えてみました!
相川七瀬「家売る営業じゃいられない」(夢見る少女じゃいられない)
⇒そんなに営業きついのか!
⇒あの低音で聞いてみたい!
沢田知可子「売りたい」(会いたい)
⇒塩漬けですか笑
KAN「登記は勝つ」(愛は勝つ)
⇒抵当権設定前でよかったね!
B’z「ローン」(ALONE)
⇒つなぎ融資ですか?
小泉今日子「真の所有者に会えてよかった」(あなたに会えてよかった)
⇒相続登記しておいてほしいですね
小田和正「優良物件は突然に」(ラブ・ストーリーは突然に)
⇒いい物件ほど突然舞い込んできますよね
Dreams Come True「決済は金曜日」(決戦は金曜日)
⇒金消は大事、決済はもっと大事
T-BOLAN「Buy For Now」(Bye For Now)
⇒いつ買うの?今でしょ!
槇原敬之「もう不動産投資なんてしない」(もう恋なんてしない)
⇒地方築古徒歩30分に手出しちゃったんですね
とんねるず「差押執行官がやってくる」(ガラガラヘビがやってくる)
⇒税金ですか?競売ですか?第2の人生頑張ってください
⇒空室の救世主!
家は買う派?借りる派? 持ち家VS賃貸を宅建士が考える
不動産屋を開業したよと周りに挨拶しにいくと、結構聞かれるのが、家は買ったほうがいいのか?賃貸のほうがいいのか?という質問です。
特にマイホーム購入を検討している子育て世代からの質問が多く、今は賃貸だけど将来的には買いたいなと思っている人達ですね。
賃貸と購入の両方のメリット・デメリットを考えてみましょう。
まずは賃貸
メリット:
①急な転勤があっても契約解除して新しい赴任地でまた借りればいい
②気に入った土地があったらそこにすぐに引っ越しができる
③子供が生まれたり、車を買ったりなどのライフイベントに合わせて広い家や駐車場つきの家など好きなタイミングで引っ越しできる。
デメリット:
①一生家賃を払い続けなければいけない
②家賃を払っても得るものがない
③隣の住人が変な人だと近所トラブルなどが起きる
づづいて持ち家派
メリット:
①買うと「一家の主」感がでる
②庭などで家庭菜園やバーベキューも気軽にできる
③リフォームも好きにできて間取りを変更できる
デメリット:
①ローンの支払いのうち元本は7割くらいで利息の返済が多い
②固定資産税や修繕費、庭の手入れなどは全て自分負担
③転職や業績悪化などで給料が減ってもローンは返済しないといけない
メリット・デメリット以外にも、お金の支払いを40年分シミュレーションして比較しているファイナンシャルプランナーの方もいるようです。購入派は頭金でかなりの金額を支払わないといけなくて、金利や税金などもあるため、総支払い金額としては賃貸派のほうが少なくて済むということでした。
また、最近では都営住宅など自治体運営のアパートはとても安く新築物件もあるため、家を買うのと同じ効用をより安い値段で受けられるようになってきているのも事実です。URとか安いアパートありますもんね。
こうしてみると賃貸派のほうがよさそうな気がしてきますね。
ただ、私としては購入をお勧めします。というのも、あなた自身が生きている間だけで考えれば確かに賃貸派のほうがいいです。それは私も同意します。
しかし、もしあなたにお子さんがいた場合は、ローンを返し終わった実家を遺産として相続できるというのはとてもうれしいことだと思います。賃貸派なら家賃を払うだけ払っても最後に自分のものにはなりませんからね。ほぼ無料で実家を相続できれば、お子さんはその家を貸して家賃収入を得つつ、その家を担保に入れてお金を銀行から借りて、自分の家を買うためにも活用できます。いっそのこと売却してしまえば、少しかもしれませんが、まとまったお金になると思います。自分の世代だけで考えずに子供の世代、孫の世代も視野に入れると考え方が変わってくるのではないでしょうか。
また、その場合は田舎の家よりもやはり都心に家を買ったほうが値崩れはしないでしょうね。
ということで私は条件付きですが購入をお勧めします。車は不動産ほど価値が続かないので買いませんが、土地や建物はとても担保価値があるためお薦めです。