おとり広告業者が摘発!不動産業界の常套手段
不動産会社の違法な営業手法が問題視されています。
その代表例がおとり物件です。
実際には取引できないのにあたかも取引できるかのような魅力的な物件を広告に掲載してお客さんを呼び寄せる手法です。
そもそも「おとり物件」をしないと集客できない不動産会社のビジネス構造自体に問題があるのですが、日本にはコンビニの数より多い12.3万社の不動産会社が存在しており、そもそも過剰競争になっています。少しでもいい「エサ」をぶら下げてお客さんを集めないとやっていけないのです。
インターネット時代になっても尚このような「おとり物件マーケティング」が強力に働いている不動産業界は変わっていかないといけません。
今回は具体的なおとり物件の手法をご紹介します。
おとり広告の実例1:3年以上同じ物件の広告を掲載している
埼玉県の不動産会社が、親族所有の物件を3年以上掲載していました。しかも取引する意思のない物件だったそうです。周辺相場より安い2780万円で掲載していたため3年間で602件もの問い合わせがあったそうです。問い合わせしてきた客を他の物件に誘導して営業していたと考えられます。
おとり広告の実例2:契約済みの物件情報を1年以上掲載している
東京都の不動産会社は、契約済みの物件のため取引できない物件を1年以上も取引可として広告に掲載し続けていました。
おとり広告の実例3:住宅を建てることができない市街化調整区域を隠して販売
埼玉県の不動産会社は、建物を建築できない市街化調整地域の土地を「市街化調整地域であり、宅地の造成及び建物の建築はできません」という文言を記載せずに、広告して販売していました。購入した買い手はいざ建築しようとしたときに工事業者から市街化調整区域であることを通告されるまで知らずにいることになります。
これらの業者に対しては広告掲載停止措置という罰則が与えられます。SUUMOやHOME'sなどに一定期間掲載できなくなります。これらの不動産ポータルサイトに掲載できなくなるだけで不動産会社としては死活問題です。さらに悪質な業者に対しては永久に不動産ポータルサイトに掲載できなくなる措置も取られています。
これらの多くは開業してから間もない新しい不動産会社が多いようです。法律の理解が未熟なためにこういったおとり広告を悪意なくやってしまう会社もあるのでしょうが、やはり中には故意に悪質な業者もいます。
参考:
今後も不動産業者の闇や業界構造をあぶりだしていきます。
fudousandokuritsu.hatenablog.com