28歳満点宅建士が不動産会社を開業する実況中継

宅建実務試験満点の宅建士がインターネット不動産会社を起業!

不動産買収の実務 権利金について

弊社では不動産の買い取り事業も行っています。細々とはですが何人かお客さんから物件の売却依頼が来ておりまして、買収価格の計算や支払い条件などの交渉をしています。

 

 

今日は、以前買収をお断りしたオーナーさんがいらっしゃって、どうして買ってくれないのかという話になり、こちらとしてもきちんと理由があることをお伝えするために理由を申し上げました。

 

案件規模に比べて権利金が高すぎること(個人的な感覚で言うと2倍くらい)、近隣住民とトラブルを抱えていること、すぐ隣の商業施設との位置関係に問題があることなど、修理代金もさらに加わると採算が合わないことなどなどをお伝えしました。

 

オーナーさんとしては不満のようで、権利金は高くない、近隣住民ともトラブルはないし、隣の商業施設は閉店しているから問題ないと言ってきました。

 

権利金の高い低いは正直買い手次第なので売り手と相場観の議論をしてもしょうがないのですが、近隣住民とのいざこざについてはネットニュースにもなっていて訴訟沙汰にもなっていたため、そのニュース記事を見せてあげました。商業施設についても予約できるポータルサイトに掲載されていたのでそれも見せてあげました。

 

オーナーさんとしては自分の主張が突き崩されたので何も言えなくなったのですが、権利金については高くないとだけ言い残して帰っていきました。

 

弊社以外にも買い手はいるのにどうして私のところに来たのだろうと疑問なのですが、弊社のような零細でも来てくれることはいいことなので、また来てもゆっくりお話ししてあげようと思っています。

 

権利金については、物件価格に上乗せされるため「対価」性があまりないのですが、収支計算で8%くらいの利回りの物件を5%で売るときの上乗せ値段として考えています。

 

たとえば、年間8万円の収益を生み出す100万円の物件があったとして、それを5%で売却しようと思ったら、160万円で売ることができます(8万わる5%)。160万円と100万円の差の60万円が権利金です。

 

利回りが8%ならかなり多くの買い手が現れますが、それなら5%でも買ってくれる人がいるだろうと足元をみて物件価格を評価額よりも増額するのです。

 

今回の場合、売却時の権利金の価格を上げすぎたので物件価格が高すぎて誰も買い手がつかないのだと思います。そのうち見向きもされなくなって買い手がいなくなり、売り手が慌てている状況かもしれません。しかし、160万円で売れると思っていたものを100万円で売るのが惜しいのか値下げできずにいるのです。

 

 

権利金というのは上げすぎると買い手がいなくなり、下げすぎると儲けがなくなる不思議なものなのです。