不動産業界の神 川本源司郎
赤い丸に「源」の文字
東京銀座のど真ん中にいくつもそびえたつ、あの有名なビル
そうです、丸源ビルです。
実はこの丸源ビルはとある男性が一代で築き上げた不動産会社の所有ビルなのです。
その社長は川本源司郎
高度経済成長期の波に乗って貸しビル業を始めた一人の青年は、銀行からの融資を断り、内装などを整えた状態で居ぬきのように飲食店にテナント貸をするスタイルで、銀座や六本木、地元福岡などに一時期は5900ものテナントを有するまでに成長させ、いつからか不動産業界の天才経営者に上り詰めていました。
テレビや雑誌などにはほとんど登場せず、存在が謎に満ちていましたが、映画作りなどには出資するという一面もあり、85歳の今はハワイ居住しているという噂もあります。
個人資産は1000億円以上とも言われています。
そんな川本さんは徹底的な節税をすることでも有名で、常に会社を赤字にして納税額を少なくして、家賃収入を次の投資に充てる手法をとっています。減価償却を積み重ねて利益を圧迫し、法人税納税を少なくする作戦なのでしょう。不動産投資が面白くて仕方がないというタイプの人によく見られます。税金を払って現金がなくなると不動産が買えないので面白くないのです。
また、生涯独身を貫いていることでも有名で、お子さんに自身の不動産ビジネスを荒らされたくないという思いがあるそうです。本物の不動産会社社長のオーラを感じてしまいます。
しかし、2013年に8億円の脱税の容疑で東京地検特捜部に逮捕されてしまいます。本人は容疑を否認しているようですが、東京のど真ん中の銀座にこれだけの不動産を所有しているわりに納税額が少ないと目に留まってしまうのはわかる気がします。
丸源ビルの一部は空室が進んでおり、かなりの空き物件があるとも言われています。ビルの老朽化が進んでいるそうで、テナントが入らないそうです。川本さんの性格から考えるとリフォームなどはせず、そのまま国に差し押さえられてしまうかもしれません。昭和が生んだ天才経営者にはもうひと踏ん張りしてもらいたいと後輩ながら思ってしまいますが、ハワイにお住まいならなかなかお目にかかるチャンスもなさそうですね。