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相続人が150人!家系図と格闘する用地買収

九州より広い410万ヘクタールの土地が所有者不明になっている

 

 

この衝撃的なニュースが6月日本全国に知れ渡りました。所有者不明の土地が災害復旧や耕作放棄地の解消などの支障となっているそうです。

 

また、実家の土地を相続したが山や田畑の土地に関して自分の子供には相続させたくないと考える人も増えているそうです。そのため子供の代になるとどんな土地を親が持っているのか知らない人も増えており、中には相続するのが面倒なので相続登記をしないことを選ぶことが増加しているそうです。

 

日本の土地制度において登記は任意なので違法ではありません。国が管理するためのものではなく、権利の保全の取引の安全を確保するためのものなのでそういったメリットを享受したい人が登記をするのです。

 

 

しかし任意であることが登記の強制力を弱らせ、結果として所有者が不明な土地が全国に点在しているのです。

 

ある自治体では市道の拡張のために沿道の用地を買収することにしたところ、とある土地の登記が50年以上もされておらず、役場の人間が総出で土地の相続人を洗い出したという話もあります。市道では所有権の移転登記をすることが求められるためです。

 

 

 

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上図のように家系図を作成したところ、土地の権利を持っている人(相続人になれる人)は150人を超え、その一人一人に同意を取り付けて、着手から丸三年をかけてようやくその土地の用地買収に成功したそうです。

 

 

しかしそういった土地は市道の候補地のいたるところにあり、その市道建設計画ができてから30年経ってもまだ市道が完成していないそうなのです。

 

 

市道のようなインフラ建設以外でもさまざまな場所で弊害が発生しています。

 

固定資産税の請求相手がすでに死亡しているため徴税ができなかったり、誰も住まなくなった空き家の老朽化によって近隣住民が危険な目にあったり、産業廃棄物の不法投棄や犯罪者の潜伏先、放火の対象になるなど、マイナスな面が多いそうです。

 

 

それらを解消するためにもやはり家系図を作成して相続関係を洗い出し、相続の権利を持つ人が複数いた場合はその全員に同意を取り付けて売買するなり賃貸するなりの手続きをしていくことが求められます。とても煩雑で、時間を要する作業のため、日本の土地問題は根深いことがうかがえます。