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富裕層がタックスヘブンで節税する理由

今夜九時から放送されたNHKスペシャルはタックスヘブンを舞台にしたパラダイスペーパーという世界各国の要人や富裕層による節税を暴露した内部文書の流出事件についての追跡番組でした。

 

www2.nhk.or.jp

 

以前のパナマ文書のときもそうでしたが世界各国の著名人や企業経営者が海外の税金が安い国を利用して国際的な節税スキームをつくりあげているという内容です。その中にはエリザベス女王やカナダの首相顧問、アメリカの大臣も含まれていたため世論はかなり批判的になっています。

 

「パラダイスペーパー」 各国メディアがトップで速報 | NHKニュース

カナダ首相顧問と英女王 租税回避地での資金運用が判明 | NHKニュース

 

私の知り合いにもかなりの富裕層の人がいるのですが、海外のタックスヘブンを活用したスキームを利用するのは大きく2つの目的があるようです。

 

1つは単純に自分の名前を出したくないからというものです。芸能人などの人気が命の職業の人が裏でビジネスをやっていることを知られたくない場合や、あまりにも有名人すぎて表立ってビジネスができない場合は海外に会社をつくって事業を行っているようです。あくまでも匿名性の部分を活用するための海外スキームです。

 

 

もう一つは、節税目的です。本国で事業を行うと高税率が課せられるものの、海外の法人税が安い国に会社を設立して利益を業務委託費やライセンス料などの名目で移転させてしまうのが一番多いパターンです。

 

特に飛行機や船のリースが多いのは、減価償却費を計上できることが要因として大きいと思います。会社の利益が100としてそのまま納税すると40も税金が発生してしまうところ、その100で飛行機や船を買えば、利益はなくなり、翌年以降はその飛行機や船の減価償却費として例えば10くらいの費用を計上できるので、翌年の利益は90になります。そのまま36の税金をはらわずに、90で飛行機や船をまた買うと、減価償却費を翌年以降も計上できて・・・というのを延々と繰り返していけるのです。そしてリース料金が入ってきますので、本来税金をはらったきりで終わっていたはずの当初の予定税金40が毎年リース料金を生み出す金の卵に化けるわけです。

 

不動産も同じで減価償却費を建物はとることができるので、節税のためにしょっちゅう建物を買っている企業もあります。賃貸料が入ってきますので普通に納税するよりも圧倒的にお得なのです。そして、税金がかからないタックスヘブンでこれらのことを行えばさらに資金がたまっていくというわけです。