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不動産は固定資産じゃない!不動産業の経理 その1

会社の経営者ともなれば財務諸表をきちんと読めなければいけませんが、いつまでたっても会計の勉強は続けないといけないくらい会計は難しいものです。

 

個人商店であればキャッシュフローさえなんとかなればなんとか経営できますが、不動産業では損益計算書と貸借対照表も読めるに越したことはありません。

 

そして、少し知識がついてくると建物や土地などは固定資産であるという固定概念ができてしまいます。しかし不動産会社の経理は業界特有のもので、仕入れた中古マンションや土地などは固定資産とはみなさないという罠があるのです。

 

通常の企業であれば不動産を固定資産として認識しますが、不動産会社では不動案を販売することが生業なので、販売目的の不動産は棚卸資産として分類し、勘定項目は販売用不動産という科目を主に使います。

 

そしてその販売用不動産の取得に付随した仲介手数料や不動産取得税、登録免許税なども取得価額に含めて問題ありません。

 

仕訳を考えてみましょう。

 

①土地を20百万円で仕入れる契約をしました。手付は2百万円です。

借方:前払い金2百万円/貸方:現金2百万円

 

仕入れの仲介手数料として1百万円のうち半分の0.5百万円を払いました。

借方:前払い金0.5百万円/貸方:現金0.5百万円

 

③印紙1万円を購入します。

借方:租税公課1万円/貸方:現金1万円

 

④土地の残金支払いをします。

借方:販売用不動産20百万円/貸方:前払い金2百万円・現金18百万円

 

⑤残りの仲介手数料の支払い

借方:販売用不動産1百万円/貸方:前払い金0.5百万円・現金0.5百万円

 

⑥固定資産税の月割り

借方:販売用不動産10万円/貸方:現金10万円

 

⑦この土地を30百万円で転売します。手付は3百万円です。

借方:現金3百万円/貸方:前受け金3百万円

 

 

仕入れの仲介手数料として1百万円のうち半分の0.5百万円を払いました。

借方:前払い金0.5百万円/貸方:現金0.5百万円

 

⑨引き渡しで残金27百万円を受け取ります。

借方:現金27百万円・前受け金3百万円/貸方:不動産販売収入30百万円

 

⑩残りの仲介手数料の支払い

借方:販売支払い手数料1百万円/貸方:前払い金0.5百万円・現金0.5百万円

 

⑪不動産販売原価への振り替え

借方:不動産販売原価21.1百万円/貸方:販売用不動産21.1百万円

 

この仕訳では固定資産税の月額割と仲介手数料も取得価額に含めて計上しています。

通常では固定資産として処理する土地も、販売目的として棚卸計上する点が面白いですね!

 

ご参考:EYのホームページ

https://www.eytax.jp/pdf/article/2009/senmon2009_14.pdf