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不動産投資の新しい裏技? 複数物件同時審査

とある不動産投資家の講演を聞く機会がありました。本も出版されていて数十億円規模の不動産を所有し、年間1億円の収入を得ている投資家さんです。

 

不動産投資には様々な流派があり、都心新築ワンルーム派や地方築古アパート一棟派など投資対象の築年数や立地、規模などに様々な流派があるのです。

 

 

そんな中でも、その投資家の流派は「地方の鉄筋コンクリートアパート一棟(築年数5年~10年)」に投資するというもので、一棟の値段は約1~2億円。それを数棟所有しているそうです。

 

 

不動産投資で重要なのは、いかに融資を引っ張れるかです。不動産投資は9割はローンで購入するからです。

 

参加者がだれしもその投資家のようになりたいと考えつつも、最初の1歩の踏み出し方に悩んでいるようで、質疑応答は最初の1棟から2棟目、3棟目までどうやって融資を引っ張るかということに集中しました。

 

普通に考えれば、年収500万円程度の人は4000万円程度の与信しかなく、ローンも4000万円借りてしまえばその人にさらに貸す金融機関はありません。つまり1棟目を買ってしまうと、2棟目のローンが借りられなくなるというのがネックになるわけです。

 

不動産投資をやる人はサラリーマンが多いので、なおさら2棟目、3棟目のローンを借りられるだけの隠れ資産を持っている人は少ないです。実家が裕福だとか、抵当をつけられるような担保物件なんて持っていないからです。

 

 

「普通の人でもいかに2棟目、3棟目のローンを引けるか」

 

 

不動産投資家初心者は常にこの問題に悩まされています。

 

 

私もその手の質問をされて、普通に考えれば与信的にはいっぱいいっぱいなはずなので、どうやって借り増すんだろうと疑問に思っていました。

 

 

そのためその講演の質疑応答には注目していたのですが、どうもその講演者の歯切れが悪い。適当にお茶を濁して終わそうとしているのが見え見えで、会場の参加者もその質問を投げかける人が後を絶ちませんでした。

 

しぶしぶなのか、その不動産投資家が重い口を開いて出た言葉は、

 

 

「同時に違う銀行に複数の物件の購入を打診して、平行して借り入れの審査を受ける」

 

 

というものでした。

 

 

通常であれば、2棟目のローンを借りようとすると、信用情報機関に1棟目のローン残高が記録されているので、それ以上借りることができない人だとすぐ判明してしまい、審査に落ちてしまいます。

 

 

しかし、もし、1棟目、2棟目、3棟目を同時に購入すべく、A銀行、B銀行、C銀行にそれぞれ借り入れ審査を申し込んだらどうなるでしょう?

 

 

1棟目を審査するA銀行でも、2棟目を審査するB銀行でも、3棟目を審査するC銀行でも申し込んだ人には借入残高が無いため全ての銀行で借り入れが可となります。つまり、それぞれが4000万円だったら、その申し込んだ人は、一気に1.2億円を借り入れることができてしまいます。

 

 

その講演をしていた投資家は同時に10の銀行に一気に10棟分を申し込んでいずれもローンの審査が通ったそうです。つまり一気に4億円分の借り入れができてしまった。

 

 

そして、実質利回りが5%とすると、わずか一年で2000万円の現金が手元に入ってきてしまいます。年収500万円の人がたった1年で10棟のアパートと現金2000万円を手に入れることに成功したわけです。

 

 

そしてその2000万円で安めのアパートを一括で買ったそうです。ローン無しで買ったため、その物件には抵当権はついておらず、担保価値が発生します。そのアパートを担保にすれば今までの借り入れ残高は関係なく、純粋に担保に対する融資として1500万円程度のローンを獲得することに成功し、それをもとに、翌年には、10棟から生み出された2000万円と合わせて3500万円の物件をローン無しで買い、その物件を担保にさらに銀行から借り入れを行い、同じように物件をどんどん買い増して行ったとのこと。

 

 

宅建士として、複数の銀行に同時に複数の物件の融資申込みをするやり方には疑問ですが、少なくとも、不動産投資で大きく買っていく人たちはこのようなやり方をやっている人が中にはいるようです。そして、このノウハウを不動産投資塾などとして100万円程度の授業料を取って伝授しているというからまた驚きです。

 

 

不動産への貸付残高が激増しているという統計が先日発表されていましたが、その統計の数字の中には、このように本来であれば借りることができない人まで借りられる手法が編み出されたという事情もあるのではないでしょうか。