28歳満点宅建士が不動産会社を開業する実況中継

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サブリース契約が続々と解約される家賃保証借上げビジネス

「この土地にアパートを建てませんか?」

 

ある日、不動産会社の営業がこういう営業を持ちかけてくるのだそうです。

 

こんな田舎でアパートに住む人なんている訳がない、と最初は思っていても、営業マンの話を聞いていると次々と想定外の言葉がでてきます。

 

「アパートは弊社が一括で借り上げます。空室の心配はありません」

「家賃は10年間ずっと一緒です」

「オーナーは何もしなくても家賃が入ってきて相続対策にもなります」

 

そういえば、裏の畑の横の土地、ずいぶん長い間、空き地にしていたなあと話を聞きながら思い出し、少ない年金や相続のことを考えると、保証してくれるなら、人生最後の大きな買い物でもしてみるか、と考えてしまう地主さんが多いようです。

 

 

いざ、契約を申し込むと、その不動産会社がアパートを建てて、その費用は地主が土地を担保に地元の銀行から借り入れる仕組みになっているとのこと。

 

そんなに難しいことを一人でできるのだろうか、と不安に思っていると不動産会社の営業マンが親切丁寧にサポートしてくれます。

 

地主がすることはハンコを押すだけ。それ以外の書類は自筆が求められるところ以外はすべて営業マンがやってくれます。

 

 

そんなこんなでアパートの工事が開始されます。空き地だった土地がみるみる工事現場と化し、ご近所さんにはアパート大家になるんですよと少し自慢げに世間話をしていると、あっという間に、半年から1年程度で出来上がっていきます。

 

 

肝心の空室も不動産会社が全部一括で借り上げてくれました。サブリース契約という借上げ契約があるから10年間は家賃が保証されます。

 

家賃が振り込まれる最初の月。楽しみに記帳しに行くと年金とはくらべものにはならないような巨額が振り込まれています。もちろんローンの返済もあるので残る額は少なくなってしまいますが、それでも、土地は自分のものなので、建物のローンだけ払えばよく、年金なんかよりよっぽどいい金額です。

 

次の月もその次の月も入金がありました。とてもいい買い物をしたとしみじみ思いました。実際には空室の部屋があるようですが、一括借り上げなので特に心配する必要はありません。

 

やがて月に1回、老夫婦でおいしい料理を食べに行く楽しみもできました。

 

お寿司や天ぷら、郷土料理など

 

年に1回はつつましいですが国内旅行にも行くようになりました。

 

日光や伊豆、瀬戸内海や別府、仙台など毎年違う都道府県に泊りがけで行き、来年はどこにいく?という夫婦の会話が楽しくて仕方がありません。

 

 

そんなある日

 

 

1本の電話が来ました。

 

電話主は数年前にアパート経営を持ち掛けてきたあの営業マンです。

 

この営業マンには今ではとても感謝しています。彼のおかげでおいしい料理や旅行にもいけて楽しい老後を過ごせているのですから。

 

そんな彼から思いもかけない言葉を聞くことになりました。

 

「家賃保証を辞めさせていただきます。家賃は下げさせていただきます」

 

 

最初、なんのことだか理解ができませんでした。が、とても嫌な予感がしました。営業マンが言うには数日以内には書類が届くからそれにサインしてくれと。それにサインするとどうやら家賃が減ってしまう模様です。

 

 

よくわからないまま、いろいろなことが走馬灯のように思い出されます。

 

田舎にポツンと立つ我がアパート、そのアパートの半分近くは住人が住んでいない、そのアパートのために巨額の借り入れをして、自分は連帯保証人、土地は自宅まで担保に入れています。

 

家賃より少し少ないだけのローン返済額は今まで気にしたこともありませんでしたが、もしその返済額よりも家賃が減ってしまうとしたら?と思った瞬間、なにかが崩れ落ちました。

 

「そんな、家賃を下げるなんてやめてください、約束が違うでしょ」と口に出すのが精いっぱい。営業マン曰く、サブリースの契約書には数年ごとに家賃を改定するという文章が入っているとのこと。急いでタンスから書類を探しだし、中身をよく見ると、小さな文字ですが確かに数年ごとに改定する可能性があると書いてあります。

 

しかし、そもそも10年は家賃が変わりませんよと言われたのを信じて決意したわけで、こういう細かい規定を持ち出されるなんて思ってもみません。

 

その後何度も電話で不動産会社に抗議しても払わないの一点張りです。入金する側のほうが強いので、どう言っても交渉は進まず、ローンの返済は相変わらず毎月口座から引き落とされていきます。みるみるうちに残高が減っていきます。今年の旅行のためにとっておいたお金もどんどんなくなっていきます。

 

 

手元に残ったのは、半分が空室のアパートと、巨額の借金だけ・・・

 

 

 

実は全国でこういうことが発生しているのです。オーナーの一部は裁判をしようと団結し始めています。社会問題化しているためNHKや新聞でも取り上げられています。

 

www.huffingtonpost.jp

 

www.nhk.or.jp

 

www.asahi.com

 

不動産会社としては少なめの家賃を振り込むだけで、ローンの返済はどんどん進んでいきます。このような不動産トラブルが全国で多発しているのです。

 

 

弊社ではこのようなトラブルに巻き込まれたオーナーさんのための事業を展開していきます。